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地震直後の倒壊と地震直後からの生活に備える。

発行日:2021.04.01

地震直後の倒壊と地震直後からの生活に備える。

いつ発生するか分からない『大地震』から大切な家族を守るために、
一刻も早い安心・高品質な対策の必要性が高まっています。

制震ダンパー「安震くん」のご紹介:制震対策の必要性が強まる一方で、具体的にどのような対策をすればいいのかお困りの方が多いのも真実です。制震装置「安震くん」は、細かい揺れから繰り返しの揺れまで対応するため、地震から建物を守る有効な手段です。大がかりな工事や高価格な装置に頼らず、多くの方に満足して選んでいただける工法です。

この先の安心を考える。

地震直後の倒壊と
地震直後からの生活に備える。

1.風化させない大地震の記憶。

 東日本大震災から10年目を迎えようとしていた矢先、2月に福島沖で震度6強の地震が発生しました。関東でも揺れは大きく、時間も長かったため「3.11」が一瞬にして蘇りました。

 お付き合いのある工務店さんからは、瓦が落ちたり、ブロック塀が倒壊した等の連絡もなく、ホッと一安心でしたが、東日本大震災は忘れてはいけない出来事です。震災の発生から丸10 年、その節目となる今号は「この先の安心を考える」をテーマに特集します。

2.判断を先延ばししている!?

 2019年9月、NHKが「災害に関する意識調査」を行いました。設問の一つに「阪神・淡路大震災では、およそ6千400人が亡くなりました。あなたは、亡くなった原因で最も多かったのは次のうちどれだと思いますか。次の中から1つ選んで◯をつけてください。」という項目がありました。地震といえば火災をイメージする人が多く、回答結果は下記の通りです。しかし実際は、家屋の倒壊が77%、火災が9%となっています。(図1参照)。

 この事実を見れば、地震対策における最優先事項は、逃げる間も無く家が倒壊することを防ぎ、夜間寝ている間にも安全を確保することです。

 にも関わらず、「耐震補強をしていない理由」では「どうしたらよいかわからないから」「面倒だから」「効果があるか不明だから」と回答した人が多く・・・、地震から目を逸らし、判断を先延ばししているように感じます(図2参照)。

  • 図1-阪神・淡路大震災で最多の死因-
  • 図2-耐震補強をしていない理由-

3.手に入れたい安心は、
人それぞれ。

 住まい手さんによって、かけられる費用と求める安心の度合いは違います。

 「耐震等級3」にプラスして「制震ダンパー」を取り付けるケース、建て替え不可住宅の改修や低予算を前提として「制震ダンパー」を用いるなど、様々なケースがあると思います。

 次では「安震くん」のQ&Aの一部を記載しておきますので、参考にしてください。

4.「安震くん」Q&A

Q.保証期間は?

A.製品保証期間として、安震くんをご採用頂いた建築物の完工日を起算として10年間とさせて頂きます。

Q.耐用年数は?

A.80~90年の耐久性があると考えています。

Q.耐震工法で良いのでは?

A.地震が繰り返されると、耐震強度が弱まっていくことが実験からわかっています。そもそも、建築基準法は最低基準であり、繰り返しの地震は想定していません。よって、もともとの耐震強度を永く守るためにも、制振ダンパーが有効です。

Q.使用本数は?

A.2階建て40坪程度のお住まいで、24本程度の取り付けとなります。

Q.他社商品との違いは?

A.地震力は、建物の重心(または剛心)から遠い地点ほど、地震の影響を受けやすいです。よって、制振装置の配置は建物の外周部に均等に数多く配置することが望ましいとされています。安震くんは建物の四隅への配置を基本とし、バランスよく均等に配置することができますので、理論的にも優れた製品と言えます。取り付け数が少ないものは、そこに地震力を集中させることが難しいとされています。

Q.油圧とゴムの違いは?

A.油圧の優れている点は、さまざまな地震の揺れに対し、性能を発揮する点です。地震の揺れ方は同じものはありません。薄いゴム状では、対応できる揺れが限られます。また、ゴム系のものは、年数が経つと固くなるなど劣化が起こる可能性があり、油圧は安定した性能が長期間保持できます。

Q.壁倍率に換算できないの?

A.壁倍率は、新築時における構造上の評価基準ですが、制振装置として販売されている商品はすべて、新築において壁倍率に換算することはできません。仮に「壁倍率○倍」という制振装置があった場合は、剛性が高い耐力壁として評価されており、制振装置としての性能(減衰力)はない(もしくは低い)と考えられます。

Q.壁強さ倍率に換算できる?

A.壁強さ倍率は、耐震改修工事の際の評価基準で、新築時に使用する「壁倍率」との混同を避けるための名称が変更されたもの。安震くんの壁強さ倍率は、1.23(1本あたり)として、計算に加えることができます。

Q.金物と干渉する場合は?

A.金物などの干渉物が事前にわかれば、配置計画の際に金物を避けて配置を作成します。現場で干渉した場合には、安震くんの取付位置を変更して頂いても構いません。

Q.設置後のシミュレーションは?

A.精密診断法及び精密診断法に基づく報告書を作成(有料)致します。安震くんは、製造元の4,000棟を超える採用実績の中で、様々なシミュレーション及び精密診断法、限界耐力計算法に基づいて、マニュアルが確立されております。そのマニュアルにより、比較的容易に配置計画の作成が可能です。

Q.金物との干渉について

A.現場にて金物との干渉により、ダンパーがつかない場合には、取り付ける柱を一本ないし2本程度(1,800mmの中で)ずらして取り付けて下さい。安震くん1〜2本の位置変更であれば、シミュレーション上、制振効果に大きくは影響しません。
※但し、一本の柱に左右から併せて2本安震くんが取りつく状態は避けて下さい。(角柱で、安震くんの向きが直行する場合は可)また、それでも取り付けが困難な場合は、柱と梁の結合部ではなく、土台と柱の結合部への取り付け(下部取付)として下さい。

Q.おおよその施工時間について

A.40坪程度のお住まいで、標準的な取付本数は24本ですが、その場合の施工時間は、大工さん1人で半日程度です。

Q.長期優良住宅に対して使えるのか?

A.安震くんは、長期優良住宅の評価に直接は関係ありません。しかし、安震くんは大地震に対する備えであることはもちろん、その後の余震や、繰り返し起こる地震に対して効果が実証されております。長期優良住宅に関する法律は、住宅の寿命を延ばすことが目的であり、住宅が長寿命になればなるほど、制振性能は必要であると言えます。住宅の寿命を延ばし、万が一の地震から財産価値を守ろうとする考え方は、まさに長期優良住宅の考え方に即した商品であると言えます。

【コラム1】制震ダンパー
「安震くん」のご紹介

地震に対してどのような安心をご提案できるか、桝徳が選んだ制震ダンパーは「安震くん」です。

POINT1

耐震等級3+制震ダンパーで地震直後から生活するための備え

 熊本地震では震度6以上の大きな地震が7回も発生しました。
 耐震等級3で建てられた住宅は全壊しませんでしたが、12.5%の住宅は半壊の被害を受けました。今後このような大地震が起こらないとは限りません。繰り返しの大きな揺れには制震ダンパーが有効です。 地震直後から生活するための備えとして、「安震くん」をお勧めします。

耐力壁の筋交い部に取り付けた「安震くん」
耐力壁の筋交い部に取り付けた「安震くん」

POINT2

耐震改修+制震ダンパーで地震直後の倒壊を防ぎ、
その後の生活に備える。

 「安震くん」は、耐震改修として剛性を高めた上で設置すると減衰性が付加(建物の変形を最大55%低減)されます。
 圧倒的にコンパクトである「安震くん」は、施工や運搬の効率が高く、低コストで容易に設置可能です。
 東京工業大学など多くの学術研究機関による性能試験をクリアし、これまで、1万3000棟以上の実績があり、多くの住宅を地震から守り続けています。

建物に均一に配置するよう内壁に取り付けた「安震くん」
建物に均一に配置するよう内壁に取り付けた「安震くん」

5.制震ダンパー性能比較

Bullsダンパー
『安震くん』
A社 B社
減衰仕様
油圧ダンパー
あらゆる性質を持つ地震に
対応可能

高減衰ゴム(周波数依存性)
変形速度により効果が劣る
1/60以上の変形では減衰効果なし

高減衰ゴム
性能
建物の変位を30~50%低減
最大55%の
シュミレーション結果あり
(製造元発表)

1/30の層間変位を約30%低減
(メーカーHPより)

阪神大震災クラスの
地震において、
建物の変形を最大1/2にする
(メーカーHPより)
施工性
専用ビスによる取付
40坪程度の建物で、半人工

専用ビスによる取付
40坪程度の建物で、1人工

ホールダウン金物などで、
固定必要
40坪程度の場合、2人工
価格
定価 768,000円
(40坪程度の場合)

定価 910,000円
(40坪程度の場合)

定価 750,000円
(40坪程度の場合)
取付本数
40坪程度の建物で24本

40坪程度の建物で
14セット(56本)
(メーカーHPより)

40坪程度で2ヵ所のみ
採用実績
4,000棟以上
×
不明(メーカー発表なし)
×
不明(メーカー発表なし)
試験・実験
協力機関

東京工業大学 静岡大学
豊田工業専門高等学校
国立交通大学(台湾)

東京都市大学
住友ゴム

ミサワホーム
制震ダンパー性能比較

今号の担当スタッフ

山﨑 佑一

山﨑 佑一

2月13日夜の大きな地震は、東日本大震災の余震で、今後10年は大規模な余震が発生する状況が続くとみられているそうです。この機会に、改めて住まいの地震対策について工務店様と一緒に考えていけたらと思います。