1.新築市場の縮小とリフォーム市場動向
2022年に株式会社野村総合研究所(NRI)が発表した、日本における「2022~2040年度の新設住宅着工戸数」、「2021~2040年のリフォーム市場規模」、および「2019~2040年の既存住宅(新築以外の住宅)流通量」の計測・予測によると、2040年度の新設住宅着工戸数は49万戸に減少する見込み。
反対に、リフォーム市場規模(※1)は、2040年まで年間7兆円程度で微増ないし、横ばい傾向が続くと予測されます。
※1「住宅着工統計上『新設住宅』に計上される増築・改修工事」及び「設備等の修繕維持費」
■新築住宅着工戸数の実績と予測結果
■リフォーム市場規模の実績と予測
※出典:株式会社野村総合研究所
2.急成長する内窓需要 2023年は前年度の3倍
日々お客様対応や現場でお仕事をされている工務店の皆様にとっては肌で感じていたことだと思いますが、窓リフォーム市場は、住宅省エネキャンペーンを背景に昨年から急拡大。
中でも内窓の需要は高く、2023年度の住宅省エネキャンペーンにおける申請窓数・窓リフォームのうち、内窓設置工事は戸建て・集合住宅共に80%以上を占めていました(戸建住宅:81.18%、集合住宅:89.22%)。
内窓の出荷数も前年度の3倍と急増(下記図より)。内窓事業に新規参入するリフォーム会社や、メーカーも出てきています。
■内窓単年度の出荷推移
※出典:パナソニック
来年度の補助金は現時点(2024年9月時点)では分かりませんが、前述のリフォーム市場の予測を踏まえると、内窓事業は、今後も期待できる市場だといえます。
3.内窓4つをピックアップ
今回は、拡大傾向にある内窓需要を受け、桝徳がおすすめする4つの内窓をピックアップ。
詳しくは次の章にてご紹介しますので、是非ご覧ください。
4.デザイン性、機能性…etc…. 桝徳おすすめの内窓4選
内窓にはメーカーによって様々な特徴や強みがあります。
今回は桝徳がおすすめする4つの内窓を、その特徴と共にご紹介します。
YKKAP「プラマード U」
防犯対策と和室に合うデザイン
■戸先錠でうっかりを防ぐ
※出典:YKKAP
窓を閉めるだけで鍵がかかる戸先錠仕様なら、締め忘れのうっかり防止に!
鍵の位置が外から分かりづらく、防犯対策にもなります。
■洋室にも和室にも合うインテリア窓
※出典:YKKAP
格子柄デザインで、お部屋の雰囲気に合わせて窓を演出。
組子入のすりガラスにすれば和室にもぴったりな装いに。
LIXIL「インプラス」
お手入れしやすく設置しやすい
■新技術のダストバリアでホコリを防止
カーテンの開け閉めで静電気の発生する窓付近はホコリが溜まりやすい場所。
ダストバリアを施した樹脂をサッシに使用することでホコリを防止します。
■補強一体ふかし枠で補強工事不要
ふかし枠と下部補強とが一体なので、見た目もすっきり。面倒な補強工事や下地確認も不要です。
※その他耐久性の高いアルミレールもございます!
Panasonicの内窓
業界最薄の奥行き
■奥行き寸法55mm!
※出典:Panasonic
2024年7月に発売されたばかりのPanasonicの内窓は、奥行き寸法が業界最薄55㎜。
スリムな設計のため、窓額縁内に納まりやすく室内空間にすっとなじみます。
■住宅設備と合わせて提案できる
※出典:Panasonic
新登場の「Panasonicの内窓」。家電や住宅設備を数多く扱うPanasonicだからこそ、「内窓+〇〇」と他の商材とのご提案が可能。販売機会の増加に寄与します。
ウッドワン「MOKUサッシ」
無垢材で統一のある空間と暖かさを
■本物の木の質感を楽しめる
※出典:ウッドワン
本物の無垢材(パイン材)で作られたMOKUの障子枠は自然な木目と手触りを楽しめるように「うづくり仕上げ」に。熱伝導率も低く、断熱性能を高めてくれます。
■組合せでコーディネートを楽しむ
※出典:ウッドワン
障子(3色)と枠・化粧額縁(2色)とで自由に色を組み合わせてコーディネート!
ウッドワンの床や建材・キッチンなどと組み合わせれば統一感UP。
【コラム】
2023年「先進的窓リノベ事業」リフォームとは違う顧客層
昨年の「先進的窓リノベ事業」を受け、窓やシャッターなど建築商材を扱うYKKAPでは内窓の受注が拡大。
生産量は前年度比220%、売り上げは270%(※2023年度推定)と大きく伸びました。
そんな中、YKKAPが実施した「先進的窓リノベ事業」利用者へのアンケートでは、補助金を活用したユーザーと一般的なリフォームユーザーとでは、顧客層が大きく異なっていたことが分かりました。
内窓リフォームは築浅住宅・若年層にも需要有
一般的なリフォームでは、利用者の最多層が50代で、年齢層が高くなる傾向にあります。
しかし、先進的窓リノベ事業を利用して窓の断熱性向上リフォームを行った人の年齢層は、20~30代が約5割、40代以下が全体の7割を占めているという結果に。
また、築年数に関するアンケートでは、築10年未満の住まいに住んでいるという回答が5割を占め、こちらも一般的なリフォームの内訳とは大きく異なります(下図)。
これは日本の住宅が築浅の家であっても断熱性能が低いからということが理由に考えられます。
※出典:ライフルホームズ
新築と比べ、今後も成長が期待されるリフォーム市場。
内窓リフォームに関しては、20~40代といった、通常のリフォームとは違った顧客層にアプローチすることも有効かもしれません。