どうなる新国立競技場
旧ブログ 2015.06.02
これまでの新国立競技場
解体工事は当初、去年2014年7月からの予定でしたが、入札の不調や業者の選定をめぐるトラブルで予定より半年近く遅れ、2014年12月から始まりました。
2015年5月11日現在、地上の構造物が完全に撤去され、2015年9月30日までに解体工事を終える予定です。
2015年10月からは新国立競技場の建設作業に入る予定で、日本スポーツ振興センターは「当初予定の2019年3月の完成を目指したい」と話しています。
2019年9月~10月のには、東京オリンピックに先駆けてラグビーワールドカップのメイン会場として新国立競技場が使用されることになっており、完成が遅れるわけにはいかないようです。
しかし、
2015年5月18日、下村博文文科相が、都庁で舛添要一都知事と会談し、新国立競技場の変更案を明らかにしました。
下村文科相は工事が間に合わないことなどから、オリンピックは、屋根が無いまま開催し、オリンピック終了後に屋根を建設する考えを示しました。
「屋根をつけたらオリンピックは間に合うけど、2019年のラグビーW杯が間に合わなくなる」そうです。
「オリンピック・パラリンピック、ラグビーについては、屋根がなくてもできる」ので屋根なしで、コンサート会場などとして活用できるように、2020年大会終了後に屋根をつけるということです。
下村文科相は「都民のスポーツ振興にも役立つ」などとして、都の費用負担を要請。新国立競技場の整備費約1700億円のうち、約500億円を都が負担するよう要請してきました。
これに対し、舛添知事は建築資材の高騰などで整備費用が膨らむことなどに触れ、「協力は惜しまないが、もっと都民や国民に情報開示をしてほしい」と話し、詳細を聞いた上で検討する考えを示しました。
新国立競技場の発注者は文科省所轄の日本スポーツ振興センター(JSC)で、ザハ・ハディド・アーキテクツがデザインを監修し、日建設計・梓設計・日本設計・アラップ設計共同体(JV)が設計を手掛けます。施工予定者は技術協力をしている大成建設と竹中工務店です。
既に多くの設計事務所や建築会社が作業に携わっており、急激に方針を転換するのは至難の業です。
まずもって、予算の件を解決しないで事業を進めるなんて恐ろしい話です。
2015年10月から着工するのに「図面ができていない」なんて・・・。これから図面を作って、構造計算して、電気や給排水や冷暖房と打ち合わせして、開発許可とか確認申請を出して・・・見積りして、材料を手配して、作業員の手配をして、重機の手配をして。
バブル真っただ中の1987年から1989年にかけて、地域の建築現場からクレーン車をはじめとする重機や職人が消えたのを思い出します。東京ドームや幕張メッセを作っているころで、そこに集中していたそうです。
2020年の東京オリンピックに向けて、各地域で開発建設ラッシュが始まり、手間や材料が高騰しそうです。
建築業界の底辺に身を置く人間なので、興味深く見守っていきたいと思います。