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もう一度建てるなら「3階建て」を望む世帯が増加、住環境研究所調べ

住宅産業トピックス 2017.11.30

 積水化学工業住宅カンパニー(大阪市北区)の調査研究機関である住環境研究所(東京都千代田区)はこのほど、「実現したい暮らしニーズ(もう一度建てるとしたらどんな住まいがいいのか)」調査を実施した。住まいの潜在ニーズとして、特に2階建てと3階建てが混在する市場において理想の住まいがどのようなものなのかを探ることを目的としたもの。

 混在市場における2階建て建築者のうち、建築計画時に「3階建て」を検討した人は15.2%だった。そこで、「もう一度建てるなら」と聞いたところ、「3階建てにしたい」との願望が29.2%に増加した。一方、同建築者のうち、もう一度建てるなら「2階建てにしたい」との願望は、検討時が81.8%だったのに対して73.1%と減少した。

 また、3階建て建築者も、「3階建て」を検討した人が66.1%だったのに対して、もう一度建てるなら「3階建て」との願望は70.2%と増加。一方、同建築者の「2階建て」の願望は、検討時の29.8%に対して20.2%と減少した。

 2階建て建築者のうち、もう一度建てるなら「3階建てを検討」する人の割合を居住地別に見ると、東海が32.3%、首都圏が31.9%、近畿圏が22.1%、その他地域が29.3%となり、大都市圏だけでなく、全国的に3階建てのニーズが高まっていることが分かった。また、就業形態別にみると、共働き世帯(夫婦どちらかがパート)が34.1%で最も高く、次いでその他が30.5%、共働き世帯(夫婦とも正社員)が28.3%、専業主婦世帯が25.4%となり、共働き世帯の方が専業主婦世帯より「3階建て」願望が強いことが分かった。

 2階建て建築者の「3階建て」願望を、実現したい暮らし別に見ると、「水害に備えた暮らし」(50.1%)、「エレベーターのある暮らし」(47.2%)、「大型バルコニーのある暮らし」(43.3%)と続いた。最近の集中豪雨による洪水や河川の氾濫による甚大な水害被害の増加が「水害の備え」ニーズと3階建て願望の高まりに反映されている様子がうかがえた。

 「3階建てで実現したい水害の備え」としては、主要な生活空間を2階以上に配置し、「水害が起きても自宅で避難生活が送れる暮らし」(46.9%)、「家財や貴重品を水害から守る暮らし」(32.0%)、「水害が起きても太陽光等で電気が使える暮らし」(26.4%)、「いざという時は屋上に避難できる暮らし」(15.4%)などが見られた。

 同調査の詳細はこちら

新建ハウジング